2026年6月26日
腹痛は外来で最も多い症状の一つです。
胃腸炎のような軽い病気から、緊急手術が必要な病気まで原因はさまざまです。
診察や血液検査だけで診断できることもありますが、原因がはっきりしない場合には胃カメラ、大腸カメラ、エコー、CT検査などが有用となります。
診察室では、どの検査をすればよいのですか?と質問を受けることがあります。
ここでは、どのような場合にCTをとるのかお話します。
腹痛の原因はさまざまです
腹痛の原因として、
・胃腸炎
・便秘
・胃潰瘍
・胆石症
・尿路結石
・虫垂炎(盲腸)
・大腸憩室炎
・膵炎
・腸閉塞
などが挙げられます。
症状だけで原因を判断することは難しく、同じ「お腹が痛い」でも病気によって診断方法は大きく異なります。
CT検査が役立つ腹痛とは?
強い腹痛
痛みが強い場合には、虫垂炎や大腸憩室炎、尿路結石などが隠れていることがあります。
CT検査により腸の炎症や結石の有無を確認することができます。
発熱を伴う腹痛
発熱がある場合には、腸や胆のうなどの炎症性疾患が疑われます。
CT検査は炎症の場所や程度を評価するのに役立ちます。
高齢者の腹痛
高齢者では症状が典型的でないことがあります。
重症な病気でも症状や血液検査の変化が軽い場合があり、CT検査が診断につながることがあります。
CT検査と胃カメラ・大腸カメラの違い
CT検査はお腹の臓器を広く観察できる検査に対して、胃カメラや大腸カメラは消化管の内側(粘膜)を直接観察する検査です。
例えば、
・胃潰瘍
・胃がん
・大腸ポリープ
・早期の大腸がん
などは胃カメラや大腸カメラの方が詳しく評価できます。
一方で、胃カメラや大腸カメラでは、消化管の外側や周囲の臓器までは十分に評価できません。
そのため腹痛によっては腸管外が原因として考えられる場合、CT検査やエコーが必要になります。
CT検査と腹部エコーの違い
腹部エコー(超音波検査)は被ばくがなく、胆のうや肝臓などを簡便に評価できる優れた検査です。
しかし、超音波は空気を通りにくいため、胃や腸にガスが多い場合には十分に観察できないことがあります。
一方でCT検査はガスの影響を受けにくく、
・腸管の炎症
・腸閉塞
・尿路結石
・腹腔内の炎症
などを評価することができます。
それぞれの検査には得意・不得意があり、症状や診察結果に応じて適切な検査を選択することが大切です。
CT検査で見つかることが多い病気
大腸憩室炎
大腸の壁にできた憩室に炎症が起こる病気です。
発熱や左下腹部痛で受診されることが多く、CT検査が診断に有用です。
尿路結石
側腹部から背中の痛みの原因となります。
CT検査により結石の位置や大きさを確認できます。
虫垂炎(盲腸)
右下腹部痛の原因として有名です。
初期には胃の辺りの痛みとして感じることがあるため診断が難しいことがありますが、CT検査で診断できる場合があります。
腸閉塞
腸の通り道が狭くなったり詰まったりする病気です。
CT検査で腸の拡張や閉塞部位を確認できます。
膵臓・胆管の病気
急性膵炎や胆石による総胆管の感染などはCTで評価することが出来ます。
腹部のしこり
CT検査だけでは分からない病気もあります
胃炎や胃潰瘍、大腸ポリープ、早期の大腸がんなどはCT検査だけでは診断が難しいことがあります。
その場合には胃カメラや大腸カメラが必要になります。
当院では症状や診察結果をもとに、CT検査・胃カメラ・大腸カメラを適切に組み合わせて診断を行っています。
まとめ
腹痛の原因は胃腸炎や便秘などの軽い病気から、虫垂炎、憩室炎、尿路結石など治療が必要な病気までさまざまです。
CT検査はお腹の臓器を広く観察できる検査であり、腹痛の原因検索に大きな力を発揮します。一方で、胃炎や大腸ポリープなど消化管の内側の病気は胃カメラや大腸カメラが必要になることもあります。
当院では症状や診察所見に応じて、CT検査・腹部エコー・胃カメラ・大腸カメラを組み合わせながら診断を行っています。
腹痛が続く場合や、発熱・血便・嘔吐などを伴う場合は、お気軽にご相談ください。
