2026年1月07日
便潜血検査は、柏市・我孫子市・野田市・松戸市などの自治体が実施しているがん検診のうち、大腸がんについての検査です。
便潜血検査は、がん検診としてとても優秀です。この記事では、便潜血検査の優秀性についてお話します。
■そもそも、がん検診の目的は
がん検診の目的は、症状が出る前にがんを発見し、治療することで【死亡率を下げる】ことです。
がん検診には、死亡率を下げることが求められています。
実は、すべてのがん種について検診があるわけではありません。死亡率を下げる効果が証明されているがん種にのみ、自治体でがん検診が行われています。具体的には、 胃がん / 大腸がん / 肺がん / 乳がん / 子宮がん の5つだけです。
がん検診が有効であるためには、
・がんの進行が比較的ゆっくりであること
・早期に見つければ有効な治療法があること
・簡単で体への負担が少ない検査があること
が条件として必要だと考えられていて、大腸がんと便潜血検査はこれを満たしています。
■便潜血検査はとても優秀
大腸がんのスクリーニングとして、便潜血検査は非常に優秀です。
その理由は、
・大腸がんの死亡率を優位に下げることが実証されていること
・コストが非常に安いこと
です。
血液や便のRNAやDNAなどの新しい検査方法が開発されていますが、コストと感度の総合力で便潜血検査を上回る検査方法はいまだありません。便潜血検査は比較的歴史のある検査方法ですが、現在でも大腸がんのスクリーニング検査としてチャンピオンとして君臨しています。
大腸がんは、初期にはほとんど症状がありません。
しかし、早期に発見できれば、内視鏡治療など体への負担が少ない治療で治すことができるがんです。
そのために、最初の一歩として非常に重要なのが便潜血検査です。
■便をつつく検査は、好きではない…
便潜血検査は、便をこすって提出する検査で、便の目に見えない血液があるかを見ています。
簡単・低負担で受けられる検査であることが大きな特徴です。
便潜血検査と聞くと、 「便をつつくのが嫌だ」 「なんだか原始的な検査に感じる」 そう思われる方は少なくないようです。
実は、消化器内科医の私も正直好きではないのですが、とても大事な検査ですので毎年受けています。
■数字で見る便潜血検査
1万人が大腸がん検診を受けた場合の目安です。
・約600人が便潜血検査陽性
・約400人が精密検査として大腸内視鏡を受ける (約200人は未受診)
・約17人に大腸がんが見つかる
便潜血検査で陽性となった場合、大腸がんが見つかるのは3-5%です。
ですので、便潜血検査で陽性という通知を受けても、過度に恐れる必要はありません。
■便潜血検査を受けるにあたって、重要なことは?
とても強調したいのですが、便潜血検査で重要なことは
・異なる日の便で検査すること
・「毎年」受けること
の2点です。
便潜血検査の感度は約60〜90%とされています。つまり、がんであっても30%程度は見逃してしまう可能性があるということです。
便潜血検査は通常2回法が採用されています。1回の検査では陰性となることもありますが、2回行うことでがんの見逃しの可能性を下げることが出来ます。
また、毎年繰り返し受けることで、がんを見逃す確率を大きく下げることができます。早期のがんは、検査の感度が低いというデータがありますが、1年後にも検査を受けることで理論的には90%程度まで感度をあげることができます。
■便を採取するときのコツはどっち?
便を採取するときに、どちらの方法が良いと思いますか?
A. 表面を浅く数カ所こする
B. しっかりと便の深くまで刺す
Bかな?と思った方もいるかもしれませんが、正解はAです。
大腸がんがある場合、便はがんの部分を通過する際にがん表面の血液が付着します。便潜血検査はこれを検出しています。
ですので、深く刺す必要はなく、表面を数か所こするのがポイントです。しっかりと便の表面をこするように採取するという少しの工夫で、検査の信頼性は大きく高まります。
■陽性と言われたら、大腸カメラで確認を
前述のとおり、便潜血検査で陽性となっても、必ずしも大腸がんというわけではありません。
・大腸ポリープ(大腸腺腫)
・痔
・炎症
などでも陽性になることがあります。
そのため、大腸内視鏡検査で確認することが大切です。
大腸カメラは決して怖い検査ではありません
現在の大腸カメラは、
・鎮静を使用して眠った状態で受けられる
・検査時間は比較的短時間
・ポリープがあればその場で治療できる
など、以前より負担の少ない検査になっています。
もし、大腸内視鏡検査で大腸がんが判明したら、速やかに適切な医療機関で治療しましょう。
以前よりもがん治療は格段に進歩しています。
■まとめ|まずは便潜血検査から始めましょう
・大腸がんは、早期発見が可能ながん
・その第一歩が、便潜血検査
・症状がない今こそ、受ける意味があります
「大腸がんを早期に見つけるために、まず便潜血検査から」
この一歩が、将来の安心につながります。
便潜血陽性を指摘された方は、お気軽に、大腸内視鏡検査について当クリニックへご相談ください。
柏駅東口オーク消化器内科・内視鏡クリニック|千葉がんサバイバー支援|胃と大腸の内視鏡・CT検査
本記事は、国立がん研究センター東病院や埼玉県立がんセンターなどのがん専門施設で2000件以上の食道がん・胃がん・大腸がんの内視鏡治療、20000件以上のがんの内視鏡検査を担当してきた柏駅東口オーク消化器・内視鏡クリニック院長が執筆しています。
