2026年1月12日
血便や下血など、排便時に出血があると、とても不安になりますよね。
ただ、「排便時の出血」と一言でいっても、排便時に赤い鮮血が出たのか、赤茶色の血便がでたのか、赤黒い便がでたのか、など状況は様々ですし、出血の量や腹痛の有無、頻度なども異なります。
排便時に出血があった場合、基本的には速やかに消化器内科に受診することをお勧めしますが、お仕事や休日などですぐに受診できるとは限りません。ここでは、受診前の不安を少しでも和らげることが出来るよう、出血の状態によって考えられる病気についてお伝えいたします。
(なお、この記事の内容は私の臨床的な経験をベースに書いているものです。個別の疾患についてはガイドラインなどをベースにして書いていますが、本記事についてはご容赦ください。)
■重要なのは、出血はどんな状態なのか?
出血にはいくつかのパターンがあります。
どんな出血かによって「どの部位から出ているか」「どんな病気が疑われるか」のヒントになります。
🔎 まずは出血の色をチェック
ザックリとした血液色のイメージです。
・血が赤っぽい … 出血してから時間がたっていない、肛門から出血部位が近い
・血が黒っぽい … 出血してから時間がたっている、肛門から出血部位が遠い
特に、真っ黒な炭状の便は、胃酸と血液が反応している状態ですので、胃や十二指腸からの出血を考慮します。

🔎 便をチェック
便自体の色と形も重要なヒントになります。
硬い茶色い便、柔らかい赤茶色の便、血液の下痢、便がなく血液成分だけ、などチェックしましょう。
🔎 症状をチェック
腹痛があるか、お腹が張っているか、なども手掛かりになります。腹痛が胃の辺りなのか、腹部全体なのか、で出血部位の想定ができます。下痢に伴う血便なのか、症状は全くないけれども血便が出る場合もあります。
また、ふらふらしたり、血圧が下がっているなどの貧血症状はないでしょうか? 排便後は一時的に血圧が下がることはありますが、その後も動悸や貧血症状が継続する場合は、早めの受診が必要となります。
■出血の状況と考えられる病気
出血の状況で考えられる、比較的頻度の多い代表的な病気は以下の通りです。
もちろん、ここに記載していない病気もありますので、あくまで参考としてみてください。

■緊急性があるのは?
前述の通り、血圧が下がる場合やふらふらする貧血症状がある場合は、急いで病院にかかる必要があります。特に、黒い便は注意が必要です。胃や十二指腸の出血は多量に出ていることが多く、内視鏡的に止血処置が必要になる場合が少なくありません。
慢性的な出血は緊急性はありませんが、それでも放置はせずに早めに消化器内科に受診しましょう。
だだ、十二指腸で勢いよく出血しているケースでは、黒くなる前に肛門まで赤い血液のままで到達することがありますので、色だけで判断することは要注意です。このような場合は貧血症状が出ますので、色だけではなく症状など総合的に判断が必要です。
■受診しなくてはいけないの?
多くの場合、出血が持続せず自然と止まるため、大丈夫かな?と受診しない人も少なくありません。経過を見ていると、また出血しても、また自然と止まるため、『もう慣れてしまった』とおっしゃる方もいます。
たしかに肛門からの出血で一番頻度が多いのは、痔の出血です。しかし、痔だろう、と思っていたら、実は直腸がんだった、ということは臨床現場ではよく経験されます。(この時の患者さんと担当医師の心のショックは、とても大きいです。)
繰り返す場合は、必ず消化器内科に受診しましょう。
■どうな検査が必要?
基本的には、大腸カメラが必要になります。
肛門鏡で痔の出血点を確認することは出来ますが、直腸に腫瘍があるかどうかは分かりません。
後悔しないためにも、基本的には大腸カメラで大腸全体を確認することを強くお勧めします。
なお、1年以内に大腸カメラをやっている、という方であれば大腸腫瘍からの出血は否定的ですので、大腸カメラは行わないということも選択されます。
■まとめ
・排便時の出血は、よくある症状ですが、原因は様々です。
・緊急性があると思われる場合は、早めに病院に受診しましょう。
・繰り返す場合、痔だと思って放置することは要注意です。消化器内科に受診しましょう。
排便時の出血・下血でご心配の方は、お気軽に 【柏駅東口オーク消化器・内視鏡クリニック】へご相談ください。
https://oak-gie-clinic.com/
本記事は、国立がん研究センター東病院や埼玉県立がんセンターなどのがん専門施設で2000件以上の食道がん・胃がん・大腸がんの内視鏡治療、20000件以上のがんの内視鏡検査を担当してきた柏駅東口オーク消化器・内視鏡クリニック院長が執筆しています。
