
肝臓の病気
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WEB予約肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、異常があっても自覚症状が現れにくい臓器です。
日常生活に支障がないまま病気が進行してしまうことも多く、気づいたときにはすでに重篤な状態に陥っているケースも少なくありません。肝臓は、栄養素の代謝や毒素の分解、ホルモンの調整、胆汁の生成など、日頃の健康を支えるうえで非常に重要な働きを担っており、その機能が損なわれると全身の健康にも大きな影響を及ぼします。
当院では、B型肝炎・C型肝炎といったウイルス性肝炎をはじめ、生活習慣と関連の深い脂肪肝や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、さらには自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎などの自己免疫疾患、薬剤性肝障害、肝硬変といった幅広い肝臓疾患の診療に対応しています。
血液検査や画像検査などを組み合わせた的確な診断と、患者様一人ひとりの状態に応じた治療を提供いたします。肝臓に関して気になる症状がある方、健康診断で肝機能の異常を指摘された方は、早めの受診をおすすめします。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされる肝臓の感染症で、感染経路は血液や体液を介するものです。感染初期は症状が現れないことが多く、気づかないうちに慢性化するケースもあります。急性期には発熱、倦怠感、黄疸、食欲不振などが見られることがありますが、自然に回復する場合もあります。
慢性化した場合、長期間にわたってウイルスが肝臓に存在し続けることで、肝炎の進行や肝硬変、さらには肝臓がんへ移行するリスクが高まります。B型肝炎はワクチンによる予防が可能であり、早期発見・早期治療が重要です。
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって発症する肝臓の病気で、主に血液を介して感染します。感染初期は無症状であることが多いため、気づかないうちに慢性化し、長年にわたり肝臓にダメージを与えるケースが多く見られます。進行すると肝硬変や肝臓がんに至ることもあります。
近年では、直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)による治療が登場し、短期間で高い治療効果が得られるようになっています。C型肝炎は早期に発見し、適切な治療を行うことで完治が可能な疾患となっています。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、飲酒習慣がほとんどないにもかかわらず、肝臓に脂肪がたまり炎症や肝細胞の破壊が生じる疾患です。糖尿病や高脂血症、肥満、インスリン抵抗性などの生活習慣病と密接に関連しており、いわゆるメタボリックシンドロームの一環として発症します。
初期には症状が乏しいことが多いものの、進行すると肝線維化や肝硬変、さらには肝臓がんに至ることがあります。生活習慣の見直しと継続的な医療管理が必要不可欠です。
自己免疫性肝炎は、免疫機能の異常によって自身の肝細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患です。原因は明確にはわかっていませんが、遺伝的要因やウイルス感染が引き金になると考えられています。倦怠感や黄疸、関節痛などの症状がみられることもありますが、無症状のまま進行するケースもあります。
放置すると肝硬変へ進行する可能性があるため、早期診断と適切な治療が重要です。治療にはステロイドや免疫抑制薬が用いられ、病状のコントロールを目指します。
原発性胆汁性胆管炎は、自己免疫の異常により肝臓内の小さな胆管が徐々に破壊され、胆汁の流れが滞ることで肝臓に障害をきたす慢性肝疾患です。
かゆみや倦怠感、皮膚の色素沈着、黄疸、脂肪便などの症状がみられますが、初期は自覚症状に乏しい場合もあります。進行すると肝硬変へ至ることもあります。治療はウルソデオキシコール酸などによって胆汁の流れを改善し、病気の進行を抑えることを目的とします。血液検査や自己抗体の検出が診断に有効です。
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が過剰に蓄積された状態を指し、飲酒の有無にかかわらず発生します。飲酒が原因のものは「アルコール性脂肪肝」、それ以外は「非アルコール性脂肪肝(NAFL)」と呼ばれます。多くは無症状ですが、進行すると非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に移行し、肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
肥満、糖尿病、高脂血症などが主なリスク因子で、生活習慣の見直しが重要です。定期的な健康診断と生活改善によって進行を防ぐことができます。
薬剤性肝障害は、医薬品やサプリメントの服用により肝臓に障害が生じる状態です。肝臓は体内の解毒を担う臓器であるため、さまざまな薬の代謝過程で肝細胞が傷害されることがあります。症状としては、倦怠感、黄疸、かゆみ、食欲不振、発熱などがみられる場合があります。
特定の薬剤に対してアレルギー反応を起こすケースや、用量依存性の障害など、発症機序は多様です。原因となる薬剤の中止とともに、症状に応じた対症療法が行われます。
肝硬変は、慢性的な肝炎や脂肪肝、自己免疫疾患などの肝障害が長期間続くことで、肝臓の組織が硬く線維化し、正常な働きができなくなった状態です。初期は無症状でも、進行すると黄疸、腹水、倦怠感、出血傾向、意識障害(肝性脳症)などさまざまな症状が現れます。また、肝硬変は肝がんの大きなリスク因子でもあります。治療は原因疾患の制御と、合併症の予防・管理が中心となります。病気の進行を抑えるためには、早期発見と定期的な医療管理が不可欠です。
肝臓は、症状が出にくいからこそ、定期的な検診と早期の対応が非常に重要です。放置すれば、肝炎から肝硬変、さらには肝臓がんへと進行してしまう可能性もあります。そのため、早期に発見できれば、薬物治療や生活習慣の改善により進行を防いだり、症状を抑えたりすることが可能です。
健康診断で肝機能の異常を指摘された方、倦怠感や食欲不振など原因不明の不調が続く方、ご家族に肝臓病のある方などは、専門の医師による診察を受けることをおすすめします。当院では、肝臓病に精通した医師が丁寧に診察・検査を行い、必要に応じた治療や管理方法をご提案いたします。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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