
腹部のしこり・張り(が硬い・膨れている)
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WEB予約腹部に“しこり”のような硬い部分を触れたり、お腹全体や一部が“張っている”“膨れている”と感じる症状は、体の中で何か異常が起こっているサインかもしれません。しこりとは、腫瘍や炎症、腸にたまったガス、便塊、臓器の腫れなどによってできる“ふくらみ”を指します。張りは、胃腸の動きが悪くなったり、ガスが溜まったりすることで感じる不快感です。
これらの症状は、軽い便秘から命に関わる病気まで幅広く関係している可能性があります。しこりが触れる、硬さが持続する、お腹の痛みや体重減少、発熱などを伴う場合は、早めの受診が重要です。
お腹にできたがんが大きくなってきた場合、自覚的なしこりや張りを感じることがあります。特に肝臓や膵臓、大腸に腫瘍があると、周囲の臓器を圧迫したり、腹水を伴ったりすることで腹部の膨満感や圧迫感を生じます。
膵臓がんは背部痛を伴いやすく、進行するまで症状が乏しいのが特徴です。自覚症状があらわれた時点で進行していることも多いため、リスクのある方(喫煙歴、糖尿病、家族歴など)は特に注意が必要です。
腹部大動脈瘤は、大動脈の一部がこぶのように膨らんでくる病気で、おへその少し上のあたりに拍動を伴ったしこりを感じることがあります。大きくなると破裂のリスクがあるため、非常に危険です。
多くは動脈硬化が原因で、無症状のうちに見つかることもありますが、しこりや背中の痛み、腹痛などで発見されるケースもあります。腹部超音波検査やCTで診断可能です。
腸にガスや便がたまることで生じる腹部膨満感も、張りやふくらみとして感じられます。特に便秘が続いている方や、過敏性腸症候群によるガスの排出異常では、張りや膨れを繰り返すことがあります。
また、腸閉塞(イレウス)など腸の通過障害があると、腸が大きく膨らみ、硬く張ってくることがあります。悪化すると嘔吐や強い腹痛を伴うため、緊急性が高くなります。
お腹の中に水(腹水)がたまることでも、お腹全体が張って膨れたように感じます。腹水は、肝硬変やがんの腹膜播種(がん細胞が腹膜に広がること)などで見られます。張りが急に進行する場合や、食欲低下・体重増加・息苦しさを伴う場合には、腹水の可能性を考える必要があります。
肝臓や脾臓が炎症や血液疾患などで腫れてくると、上腹部や左側腹部に硬さやしこりとして触れることがあります。慢性肝炎や白血病、感染症などが原因となることがあります。
腹部のしこりや張りの原因は非常に多岐にわたるため、まずは適切な診断をつけることが最優先です。
以下のような検査を行います。
臓器の腫れ、腫瘍、腹水の有無を確認
腫瘍や大動脈瘤、炎症などの詳細評価
肝機能、腫瘍マーカー、感染症の有無などをチェック
腸閉塞などを疑う場合治療は、原因に応じて大きく異なります。
画像診断後、必要に応じて専門医療機関へ紹介し、内視鏡的切除や手術、化学療法などの治療を検討
血管外科での外科的対応が必要
食生活の見直し、整腸剤の使用、漢方などで改善を図る
食生活の改善や利尿剤、必要に応じて専門的加療を行う
腹部のしこりや張りは、自分では深刻なものか判断が難しいことが多いため、早めに消化器内科での検査を受けることをおすすめします。特に、しこりが固く大きくなってきている、短期間でお腹が膨れてきた、体重減少や食欲不振があるといった場合には、重大な病気が隠れている可能性があります。
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